恋歌-Renka-




「でも確かに思う……萌奈と花音は一緒になのに、なんで私だけ省かれたわけ?しかもこんな辛気臭いメガネと一緒だなんて……ありえない」




美保が心底絶望したような
顔で西谷を見る





「ありえない?それはこっちの台詞ですよ。あなたみたいな強気で高慢な女性と一緒に、あと2年過ごすなんて………絶望的ですね」





西谷も負けじと
言い返しながら
美保へ冷めた視線を送る






「なっ!失礼な男ね!私のどこが高慢なのよ?」





「嫌ですね、最初に失礼なことを言ったのは、あなたですよ?強いていうなら"全て"ですかね」





次から次へと
言い合いの言葉が
飛び交っている





西谷と美保って
こんな仲悪かったっけ?





「まだ、二人一緒ならいいじゃん!!しかも萌奈のクラスと近いし僕なんて一人だよ一人!!」






「ところで蒼は何組なんだ?」





「僕、2組………」




2組か……
そりゃ遠いわな





「まあ、どんまい」




涼太が蒼の肩をポンと
叩いて哀れみの瞳を
向ける




そこで




キーンコーンカーンコーン





チャイムが鳴り響いたーーー
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