恋歌-Renka-



「いいから……」




そんな私をみて
クスクスと笑う霧山





良くない!!




…………って涼太は?





「彼なら………先生に呼ばれてたよ」





私の心の声を
読み取ったのか…
そんな事を言う






「誰も……そんなこと聞いてない」





「そうだね。でも顔に出てるよ?」





「なっ!!」





「本当に面白いね……分かりやすいんだよ花音は」





なんなんだこいつ!!





気づけば誰も使っていない
空き教室に連れてこられていた





「なんでこんなとこに?ってか手を離せ!!」




私の言葉に素直に従う
彼は一体何を考えている?




相変わらず読めない男だ。





「何しに私の前に現れた?」




「だから言ったでしょ?奪いに来たって。」




「真面目に答えろ!!」




ふざける霧山に怒りを覚えて
ついつい怒鳴ってしまう




「あれから約3ヶ月経ったよ………。タイムリミットは……あと9ヶ月………あいつと別れる気になった?」





タイムリミット……?
ああ、アメリカに
経つまでの期間か………





怪しげな笑みを浮かべて
私にジリジリと歩み寄ってくる





私はそれにならって
後ずさりをする………





今まで男に恐怖なんて
ほとんど感じたことないのに





こいつには恐怖心しか
沸いてこない





ついに背中が壁にくっついて
これ以上下がれなくなって
しまった。





徐々に近づいてくる霧山に
私は精一杯の威嚇を込めて





「絶対に別れない………もし、涼太に手を出してみろ………私がお前を殺してやる」




暴言を吐く





「こらこら、女の子がそんなおっかないこと言っちゃダメだよ?」




「なら、さっさと消え失せろ」




「それは出来ないかな……」





私は目の前にいる
霧山を殴ろうと
拳をつき出すけど




それは呆気なく
受け止められ




霧山は私の両腕を
持ち上げると私の頭上で
クロスさせて片手で
押さえつける………




そして余った方の手で
私の顎を持ち上げ
不適に微笑を浮かべ




「忘れてないよね?俺の言葉」





「それって………」




帝家を壊すってやつ?
< 190 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop