恋歌-Renka-
何か私にできる事はないか………
公園からの帰り道
延々とそんなことを
考えながら歩く
もうあれ以上
涼太の悲しげな
顔見てられない
どうにかして
涼太パパの無実を
晴らさなくては………
気づけば自宅前に
着いていたーーーーー
家に入り玄関を見て
冷や汗をかく
見知らぬ靴がポツンと1つ
汐莉おばさんは
出掛けてていないはず………
どうやって入ったんだ!?
私は靴を脱ぎ捨て
一気に階段を
かけ上がる………
バアンッ
自室の扉を思いきり開いたーーーーーー
「おー、荒れてるね花音」
まるで自分の物のように
気安く私のベッドに
寝転がってる霧山
「何しに来た?」
私が霧山を睨みつけると
彼は呆れ顔で起き上がって
「花音って、それしか言えないの?」
そんな事を言う
「黙れ。どうやって入ったんだ」
「これ、汐莉さんに無理言って作ってもらったんだ」
スペアキーであろうものを
見せながら笑う
「作ってもらったんじゃなくて、無理矢理作らせたんだろ」
「やだなー、人聞きの悪いこと言わないでよ」
「事実だろ。本当に何しに来たんだ?お前………」
「あ、そうそう。帝くん元気にしてる?」
冬休みで顔を合わせて
ないのはわかるけれど
別にそんなこと
霧山が心配するような
事じゃない………
「そんなこと、お前には関係ない」
「彼のお父さん………捕まったんだって?」
な、何で霧山が
それを知ってるんだ!?
ま、まさか!!
「お前の仕業か?」
「あ、やっと気づいた?せーかい。」
「お前!」
私は霧山に近づいて
彼の胸ぐらを思いきり掴む
「おー、怖い怖い」
全然怖がってなさそうな
顔でヘラヘラと笑う
「お前………人をおちょくるのも大概にしろよ………」
私は彼を鋭く睨み付け
今まで出したことないような
低い声で言い放ったーーー