恋歌-Renka-
次の日の早朝
「本当に行っちゃうのね……」
悲しそうに
顔を俯かせる
汐莉おばさん
ごめん………
絶対に離れないとか言って
私は汐莉おばさんも
裏切るのか………
でも、私がいたら
もっと今以上に
みんな傷つけられちゃう
「ごめんなさい……」
「でも、あなたが悩んで決めたことなら文句はないわ………もし、アメリカでの生活が嫌になったらいつでも帰っておいで。私はいつでも花音の味方よ」
「ありがとう!!」
私は汐莉おばさんに
抱きついてたくさん泣いた
ーーーーーーーーー
家を出てから
タクシーで空港へ向かう
「お、きたきた。」
私の姿を見つけるなり
駆け寄ってくる霧山
「孝さん、向こうで待ってるよ」
孝さん?
ああ、霧山 孝………
私の父親か。
「おい、霧山………」
「やだな、養子縁組取り消したから、もう霧山じゃないよ?」
「じゃあ何だ?」
「さぁ?忘れた。だから遙って呼んでよ」
「忘れたって………まあいいや。遙………」
「何?」
「いや、やっぱ何でもない……早く行くぞ」
「あ、そう?うん。」
私と遙は父親のもとへ
小走りに急ぐ
そして私たちは
アメリカへ発ったーーーーー