恋歌-Renka-



「アメリカなんて………何だってまたそんな………」






「知らない……私にもわからないの………」





「そんな……」





まさか霧山………
霧山 遙とアメリカへ?





花音の昨日の言葉は
全て嘘で………




実は霧山 遙を
好きになっていたとか?




俺は理解しきれない
山積みの疑問と問題を
悶々と頭の中で考える





「はい、これ」





汐莉さんが
静かに涙を流しながら
俺に小さな封筒を
差し出してきた





「何ですか?これ………」





俺はいったん考えるのを止め
封筒に視線を落とす




「これね、花音が残していったみたいなの……。涼太くんへの手紙」




「そうですか。わざわざ押し掛けてごめんなさい……ありがとうございました」





俺は手紙を受け取って
踵を返すとただ無心で
歩き出した………

< 206 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop