恋歌-Renka-
「嘘………花音にそんな過去があったなんて」
美保が驚愕の言葉を漏らす
いや、美保だけではない
みんながみんな
目を見開いて驚く
「そう………それで突然、霧山が現れたんだ………」
「霧山って………うちのクラスの霧山 遙くんだよね?………あの、花音の婚約者って人………」
坂梛が何かを
察したかのように
眉をひそめる
「「「婚約者!?」」」
「まさか………その婚約者と………」
「可能性はある……ってか、それ以外あり得ない」
「でも………まだ決めつけるのは良くないよ!」
「そうですよ!花音さんは帝を裏切ったりするような人じゃありません!」
「そうだよ涼太!花音ちゃんを信じて」
「そうね、何か理由があったのかもしれない……」
「みんな………ありがとう」
みんなの優しさに
また涙が溢れる
「とにかく、花音は絶対帰ってくる!!だから涼太も信じて待ってなさい!!」
「ああ………」
「じゃあ、そろそろ…おいとましよ」
「そだね。何かあったらすぐ電話でもメールでもして!僕ら親友でしょ?」
「蒼、俺を忘れないで下さいよ!俺も帝の親友ですから」
「あはは、お前らバカすぎ」
「「おい!」」
「はいはい、遊んでないで早く帰るわよ!!」
「行くよ、蒼」
美保が優樹の襟首を掴み
坂梛が蒼の襟首を掴んで
引きずる………
「じゃあ、またね」
「またな」
みんなが去った後
静まり返る俺の部屋
なんか嵐が去ったみたいだ。
あ………そうだ!
さっきの手紙!
俺は震える手で
封筒を開くーーーーー