恋歌-Renka-
クラスのみんなも何事かと
帝を凝視している。
「もう、決まっちゃったからダメー。さっきパスって言ってたじゃないの。」
「いや、あのっ、それは…」
何を焦っているのか私には
よくわからないけど
帝が西谷と私を交互に見ながら
言い訳の言葉を探している。
だが、今更もう遅い。
「はい、って事で残った帝くんは、自動的に生物委員ね。まだ決まってない二人も生物委員に回って。」
そう言われて帝は肩を落とし
クラスの女子二人は
「やった、帝くんと一緒!」
「ちょー嬉しい!」
なんてはしゃいでいる。
そんなこんなでクラスの
決めごとが進んでいき。
いつの間にか下校時刻に
なっていた。