恋歌-Renka-
第10章




第10章 *再会*




花音を探し始めてから
約半年が経った




無事、医大も卒業して俺は
とある病院で医者の
卵として働いている。





言ってしまえば
名医のサポート役



琴乃も無事に進級して
俺の後を継ぐように
大学で活躍をしている



仕事に追われる傍ら
あの日から一度も
花音捜しを怠ったことはない





しかし半年たった今でも
彼女を見つけられないままで




「花音さん、見つからないですね…」



「だな…」




この半年間で
それなりに多くの
アーティスト事務所に
聞きにいったが





Kanonという
アーティストは
所属していなかった。





ちなみに琴乃も
一緒に協力して
くれている………





「あー、まじ……このままおじさんになるまで見つからなかったらどうしよう………」





俺は落胆して
溜め息混じりに呟く





「弱気になるなですよ先輩!大丈夫です、見つからなかったら私が先輩をもらってやります!!」






とイタズラに笑う琴乃






「何でそんな上から目線なんだよ………てか何しに来た?」





今いる場所は
俺が勤めてる病院





「相変わらず冷たいですね!………まあ、それはさておき………○○ミュージック株式会社って先輩のお父さんが働いてるところですよね?」





俺の質問には答えず
そんなことを言う





「そうだけど………」





今が休憩中で
本当良かったよ……




それにしても
なぜ俺の親父が勤めてる
音楽会社の名前が
出てくるんだ………?





「そこの社長さん亡くなっちゃったみたいですよ……確か肺ガンで………」





「そうだったのか……」



親父からは
まだ聞いてないな……
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