恋歌-Renka-
「何でって顔してるね……俺も脳外科研究サークルだからだよ」
「ああ、なるほど!先輩、お名前は?」
「俺、帝 涼太。よろしくな……お前は?」
「私、栗乃木 琴乃ですっ!先輩、よろしくお願いしますっ!」
これが私と先輩の
出会いだったーーーーー
そこからちょくちょく
先輩と絡むようになり
いつしか気づけば大学3年生
私は涼太先輩を
好きになっていた。
先輩は大学4年生
もうすぐで卒業してしまう。
それまでに告白しなくちゃ!!
私は意を決して
先輩が講義を受けて
いるであろう教室へ
足を運んだーーーーー
ーーーーーーーー
先輩とやり取りをしていて
ふと長方形のケースに目が移る
「先輩、それ何ですか?」
「あ………何でもねえよ」
と、冷静に答えつつも
慌ててケースを鞄にしまう
本当は何もかも気づいてる
先輩には好きな人がいるって。
何か隠していることがあるって。
それに先輩はきっと
私が何も言わなくても
私の気持ちに気づいてる
「そ、そうですか………じゃあ、先輩一緒に帰りましょっ!」
私は場の雰囲気を壊さないよう
作り笑いでそう言ったーーー