恋歌-Renka-
先輩とファミレスへ
行くことが決定して
ファミレスの入り口に
近づいたとき先輩の横を
美人女性が通りすぎていった
私の視角からは
光の反射で
サングラス越しでも
はっきりわかる
すっごく美人………
私がそんなことを
思っていると
「花音………」
隣の先輩が小さな声でそう呟いた。
かのん………って
先輩の好きな人?
「先輩………」
私の呼び掛けに反応しないで
車に乗って去って行った
美人女性の跡をボーッと眺めてる
なんかそれに無性にイラついて
悔しくて悲しくて……気づいたら
「先輩っ!!」
大声を出していたーーーーー
「え、ごめん何?」
先輩が我に返り慌てて
返事をする……
先輩好きです……
大好きです
「早く中に入りましょ!」
そんな気持ちを押し殺すと
入り口を指差して
なるべく明るく元気を装う。
ーーーーーーーー
その後もずーっと上の空で
ボーッとしてる先輩に
ダメとはわかっていても
苛立ちが募っていくばかりで……
「じゃあ、私はここで」
「ああ、うん。またな。」
先輩とハイバイしてから
帰宅の途に着く
ベッドにダイビングして
溜め息を吐いた
「結局、今日も告白できなかったな……」
落胆していろいろ
呟いてるうちに
いつの間にか眠っていた
起きた頃にはちょうど
MWが始まった時間
何気なくテレビをつけて
ボーッと画面を見ていたーーーー