恋歌-Renka-





「先輩…私は………」



言わなくちゃ………
今度こそ。



絶好のチャンスだよ



だって今なら先輩
私から逃げられないもん



避けられる前に
全てを伝えるんだ……



私は必死に涙を
堪えながら
先輩に真剣な
眼差しを向ける





「私は……出会った時から、ずっと先輩の事が好きなんですっ」





やっと言えた………




でも先輩から
返ってきた答えは
やっぱり……






「ごめん」






だったーーーーーー






いや、わかってたよ
そう言われる事は。



きっと先輩の中でKanonさんは
私なんかより何百倍も何千倍も
大きな存在なんだ…




「先輩…気づいてましたよね?私が言う前から……私の気持ちに。」




でも、私の中でも
貴方が花音さんを
思うのと同じくらい
先輩の存在が大きいんだよ。




「い、いや……今、知った………」





「嘘は止めてください。驚いてないのが動かぬ証拠です」




そうやって嘘ついてまで
気づかないフリしたいんですね。





悲しいはずなのに今は涙より
自分に対して哀れみの笑いが漏れる………




「ごめん……」



そんな私にまた
先輩が謝る




もういいです先輩………
これ以上言って今の関係が
壊れてしまう前に……




「そうですか…なら今までで通り仲の良い先輩後輩でいましょう。」




これで終わりに
すればいい……
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