恋歌-Renka-
「帝と何話してたんですか?」
二人で並んで廊下を歩いてると
いきなり突拍子もない質問してくる西谷。
そしてさっきのタメ口が
嘘のように敬語を使っている。
「特には何も。」
「ってゆーか、その前に…帝と知り合いだったんですか?」
「いや、知り合いっていうか…昨日ナンパ男たちに絡まれてる所を助けてもらったんだ。別に頼んだ訳じゃないが。」
「……かよ。」
「ん?何か言ったか?」
「あ、いや。何も言ってませんよ?」
と、にこやかに笑う。
西谷の笑顔……凄く綺麗だな……
不思議と素直にそう思った。