恋歌-Renka-
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「佐久間さん!」
待ち合わせ場所に
着いて佐久間さんの
姿を見つけるなり
私は大きく手を振る
「あ、ことのちゃん」
それに気づいた佐久間さんも
手を振り返す
「早いですね!」
「まあね」
イスに座るなり
佐久間さんに話しかける
「佐久間さんの下の名前…何て読むんですか?」
私は名刺の
"遙"の文字を
指差しながら
佐久間さんに
尋ねる
「ああ、それ"よう"って読むんだよ」
「あ、そうなんですか!」
「逆に、ことのちゃんはどう書くの?」
「私ですか?すごく平凡ですよー」
と言って紙を取り出し
"琴乃"と書いて見せる
「確かに平凡だね……その代わり苗字が珍しいよね」
「本当ですよねー!ところで佐久間さんいくつなんですか?」
今一番知りたい
質問を投げ掛ける
予想は25くらいかなー。
「え、22だけど?」
え?うそ?
私の1つ上!?
もっと年上かと思ってた……
ってか、先輩と一緒じゃん!
「てっきり25歳くらいかと思ってました!」
「え、そんな老けて見える?」
佐久間さんは少し
しょんぼりして
肩を落とす
「ち、違いますよ!なんかすごい大人っぽい雰囲気醸し出してるので!」
「そう?逆に琴乃ちゃんは?」
「21ですよ」
「え?まじ?逆にもっと年下かと思ってたわ」
「ちょ!これでも大学4年生なんですからね!」
「はいはい。それより例の彼とはどうなったの?」
「あ、それですか。私は彼の人捜しを手伝う事にしたんです。彼が今も忘れられずにいる女性を……」
「そっか………琴乃ちゃんはそれでいいの?」
佐久間さんが
真剣な顔をする