恋歌-Renka-
「しゃ、社長!?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてないですよ!名刺にも書いてなかったし……」
「最近なったばかりだからね………ほら、ここだよ」
レコーディングルーム
ここに花音さんが
いるのね…………
そう思った途端
心拍数が上昇する
「花音いる?」
佐久間さんが扉を開けて
中に入って行く
私も彼に続いて
中に入り扉を閉めて
前を向いたーーーーーー
「遙………おかえり。ずいぶん早かったのね。その子は?」
信じられない…………
目の前にいたのは
紛れもなくあのKanonさんで
長くて綺麗な黒髪
大きな瞳にスラッとした
抜群のボディ
本当にこんなことが
起こるなんて
世界はどれだけ
狭いのだろう?
嬉しい半面…………
心がキュッと
締め付けられた。
「この子は俺の友達………。」
「そう………。ねえ、遙。私、この子と話がしたいから、ちょっと席を外してもらえない?」
「え?………ああ」
花音さんにそう言われ佐久間さんは
レコーディングルームを出て行った。