恋歌-Renka-
*涼太 side*
「と、とりあえず今は仕事中だから終わったらな!」
真剣な表情を崩さない
琴乃にそう告げて
残りの仕事を早く
終わらせるべく
必死に働いた
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一通り仕事を終え
琴乃と一緒に例の
ファミレスへ向かう
とりあえず食事を
とることにした俺たちは
料理を注文して
料理が運ばれてくると
ただ無言でそれを口に運ぶ。
一言も言葉を交わさないまま
食事が終わってしまった…………
「で、さっきの話だけど………大変って何が?」
そろそろ本題に入ろうと
俺が口を開くと
琴乃は少し考えるような
素振りを見せて
「花音さんが見つかりました」
確かにそう言った。
けれどそんな言葉
簡単には信じきる
ことが出来なくて
「え?」
「花音さん、凄い身近にいたんですよ。花音さんの婚約者………先輩なら知ってますよね?」
琴乃の真剣な顔を見る限り
これが嘘だとは思えなくて。
もちろん知ってるよ。
当たり前じゃん……
忘れたくても忘れられない。
そいつの名は霧山 遙ーーーーー