恋歌-Renka-
病室から出て病院の中央施設の
テーブルを5人で囲む
「萌奈と蒼、結婚したのね!!」
「うん、ちょっと前にね………で、赤ちゃんもいるんだ!」
そう言ってまだ
目立っていないお腹を
さすりながら微笑む。
「本当!?今から楽しみいっぱいね!」
「てか、花音さん………しゃべり方変わってません?」
西谷の言葉に
「「確かに」」
美保と蒼が頷く。
「ああ、これは芸能界入るときに………直されたの。」
微笑を浮かべる私に成る程
とみんなが頷く
「ところで、美保&優樹カップルはいつ結婚するの?」
「お、おい!」
蒼の言葉に西谷が慌てて
止めに入るが
2人とも顔が凄く真っ赤だ……。
「二人付き合ってるの?」
私はもちろん西谷と美保に
視線を向けるわけで
「うん、まぁ………一応」
私がアメリカで過ごしている間に
こんなにもいろんなことが変化していて
みんなも日本で個々にそれぞれ
人生の歴史に今を刻んでいたんだ……。
幸せそうに笑う
4人の顔をみて
微笑ましく思う。
涼太と私の関係をずっと
支えてくれた親友たち………
もはや家族と言っても
過言ではないほど
私にとってみんなは
かけがえのない存在で
みんなバラバラに離れたって
また一ヵ所にこうして集まるんだ。
「早く………涼太も目を覚まさないかな…………。そうしたら6人でまたバカして騒げるのに…………」
無意識に呟いた言葉で
みんなが一斉に静まる
その瞬間ツゥーっと
何かが流れる
え?あれ?
「アハッ…………や、やだなぁ。何泣いてるんだろう………おっかしいなー、別に悲しくなんてないのに。」
「強がるなよ」
ちょっと怒ったような
顔で口調が変わる西谷。
だって………だって…………
「っ…強がってないと………もしものときを考えちゃう………からっ…………」
「大丈夫…………今は泣いてもいいんだよ?私たちの前では強がらなくていい…………」
そう言って私を優しく
抱き締めてくれる萌奈
「しょ、しょうがないから今だけ萌奈をかしてあげるよ!だから思いっきり泣いたら?本当は不安で仕方ないんだろ?」
「私と優樹もついてるから大丈夫。私たちも出来る限りのことはする………」
みんなの優しさが
ただただ嬉しくって
私は大粒の涙を
飽きるまで流し続けた。