恋歌-Renka-







*萌奈編*




「おい!涼花!ぼーっとすんなよ!前ぶつかる!」



ぽけーっと歩く我が娘



美盛 涼花は



見た目花音に似ているけれど
当たり前のように中身は全然違う。


小学校では不思議ちゃんって
呼ばれてると太音くんが教えてくれた。



「ん、ごめん……たーくん」



「あーもう!ほら!手つないどくぞ!」



医者の仕事でなかなか忙しい
西谷くんと美保の為に
よく我が家で太音くんを
預かっている……



そんな2人も気づけば
もう小学5年生



「涼花、太音くん、今日の夕飯は何がいい?」



「俺、ハンバーグがいい!涼花は?」



「私もハンバーグがいい」



「よっしゃ!決まり!俺、萌奈さんのハンバーグ好き!」



「ふふ、ありがとう、太音くん」



無邪気に笑う太音くんを見て
涼花も優しく微笑む



そんな2人が愛おしくて
ギューッと力強く抱きしめた。



私たち4人も含め
涼花と太音が



花音と帝くんの分も
幸せいっぱいな世界で
たくさん生きてくれますように



ただ、それだけが
私の願いだーーーーーーー。



*萌奈編 end*
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