恋歌-Renka-
*琴乃編*
先輩と花音さんが亡くなってから
随分と経ったーーーーーー。
あの後……先輩に花音さんの
こと言わなければ!!
と、何度も自分を責めたけど
奇跡的に目覚めた先輩と
奇跡的に回復に向かった花音さん
2人の幸せな結婚式を見たら
これで良かったんだと
そう思えたーーーーー。
私は先輩の意志を継いで
無事に女医になることに成功
今は都会の大きな病院で
バリバリと働いている。
そして今は……
そんな2人が眠るお墓に
墓参りに向かう所
その場所について
駐車場に車を止める
花束と2人が好きなものを
それぞれお供え用に持って
墓石に向かうと……
そこに1人の影が見えた。
「……佐久間さ、ん……?」
恐る恐る声をかけると
その人物は綺麗な涙を
流しながら振り返る
「琴乃ちゃん……久しぶり」
そのまま私の名前を呼び
姿を捉えると涙顔でふわりと笑う
その表情に何だか私も
切なくなってしまう……。
佐久間さん
結局、私たちの恋は叶いませんでしたね。
でも……何だか前を向いて
進めるような気がします
どうか天国でも……
2人が笑顔で幸せで
暮らしていますように
そう願いを込めて
私は2人の墓石に手を合わせたーーー。
*琴乃編 end*