恋歌-Renka-
「なに? 話の内容が見えてこないんだけど?」
そんな私たちの会話に
首を傾げながらも不機嫌そうに
眉をしかめて食いついてくる。
なんだコイツは
笑ったり怒ったり
もし帝にあだ名をつけるとしたら
“百面相野郎” だな。
「お前は知らなくていい。」
ふっと鼻で笑って、本に視線を戻す。
「は? 何これいじめ?」
しつこく付きまとってくる帝を
無視し続けていると
キーンコーン カーンコーン
チャイムが鳴り響いた。
時は一刻一刻と進み
気がつけば昼休み
ふーっと一息ついて
昼支度をする。
私の通う聖華高等学校は
都立で食堂というものがない
あるとしたら購買くらいだ。
今日が初めての昼休憩
周りを見渡せば
お弁当を持ってきている人や
買い弁してきてる人
購買に買いにいく人など様々だ。
勿論私は、汐莉おばさんに
つくってもらったお弁当を
鞄から取り出して席を立つ。