恋歌-Renka-
しばしの沈黙………
破ったのは私だ
「なあ、お前。」
「ん?」
パンをくわえたまんま
アホ面で間抜けな声を出す帝。
「さっきの態度、冷たすぎなんじゃないか?」
先程の出来事を思い出して
率直に疑問の声を上げる
そこに若干、あの女子生徒に
対する哀れみも含みながら…
「はあ?」
パンをいっきに詰め込んで
眉間に皺を寄せる
「だからさっきの。彼女泣いてたぞ」
「あー、それね」
今、思い出しました
みたいなノリでポンと
手を打つ彼に
記憶力………いや、頭大丈夫か?
とツッコミたくなる衝動を
抑えながら彼を見つめる。
「ていうか、そんな見ないでくれる?」
私の視線に気づき
怪訝な顔をする彼は
はぁと溜め息を漏らす。
おい帝くんよ
全然、質問の答えになって
いないんだが………