恋歌-Renka-
「答えになってない」
帝から視線を外し
俯いた瞬間
帝が私をグイッと引き寄せた。
気づけば距離は数㎝
私は驚いて目を見開く
「その答え、冬院に関係あるの?」
「い、いや……別に関係ないし、興味もないが、もうちょっと言い方を優しく……っていうか離してくれないか?」
自然と火照る体……
顔が真っ赤になっていることくらい
自分でも気づいている
ドキドキ
心臓まで騒ぎだした。
私は顔を思いきり反らしながら
しどろもどろに言葉を繋ぐ。
「優しく?知らないよ。俺は好きな女にしか興味ない。」
そういって私の両肩を
彼の両腕で掴む力が強まる
「み、帝!?」
なんなんだこの状況。
私は事態についていけず
ただ呆然とすることしかできなくて
「ばか」
そんな私とは裏腹に
悲しそうに呟いた帝は
私を強く抱き締めた。