恋歌-Renka-
あれから2ヶ月経った
今は6月で、もうすぐ体育祭だ。
そして私は
あれ以来、帝を避け続けている。
「おい、冬院!」
「忙しい」
私の姿を見つけては
やたらと話しかけてくる奴を
冷たくあしらって
スタスタと歩き出す。
職員室に差し掛かったあたりで
「冬院さん」
不意に名前が呼ばれる。
声のした方へ振り向けば
西谷が立っていた。
「なんだ西谷か」
私はそっと胸を撫で下ろす。
またアイツだったら
どうしようかと思った。