恋歌-Renka-
「はい、じゃあ次は体育祭について進めてくよ~!」
いつも以上に気合いを入れて
喋り出す美島先生
そんなに体育祭が
好きなのだろうか?
「じゃあ、学級委員の冬院さんと西谷くんお願いね」
先生の言葉に席を立つ西谷
その距離はだいぶ離れていて
少し寂しさを感じる
席を立ち西谷と一緒に
教卓の前に立つ。
「はい、じゃあまず体育祭実行係りを決めたいと思います」
ほんの数日前に行われた
第2回目の学級委員会議で
委員長に言われた通りに
進めてゆく西谷。
私はチョークを右手に持ち
その光景を眺める。
「とりあえず、まずやりたい人がいるか知りたいんで、やりたい人は手を上げて下さい。」
「はい、あたしやるよ。」
手を上げたのは
坂梛 萌奈だった。
彼女は運動神経抜群で
入学してまだ2ヶ月だというのに
陸上部で大活躍しているスーパーエース
体育の授業でも見て分かるほどに
彼女の運動神経の良さにはちょっと
感動していたりする。
何故かって?
それは秘密だ。