恋歌-Renka-
例えば………
・生物委員会議をサボる
・先生に頼まれたプリント配布を
めんどくさそうに受け取り、他の女子に押しつける
・生物委員の癖に、女子二人に全てを任せて自分は何もしてない
・授業中はノートとるのダルいとか言って、西谷にノートとりを押しつけ自分は平然と寝ている
など、いろいろあるわけだが
そんなめんどくさがりな彼が
今、自ら体育祭実行係りに
手を上げてしまっているわけで……
「帝くんが体育祭実行係りなら、あたし頑張れるーっ」
「あたしもーっ」
目をハートにさせ
うっとりした声で
話し出す女子たち。
「やる気って項目ははずしても、帝は運動神経いいし、頼りがいがあるからいいんじゃね?」
「俺も賛成! 」
女子に続いて男子も
帝に賛成する。
先生は自分たちで決めろ
とでも言うように薄く
笑うだけで口を挟まない。
「まあ、みんながそう言うなら………体育祭実行係りの男子は帝ということで」
西谷の言葉に、みんなが一斉に拍手する。
私はジトッと睨むように彼を一瞥してから渋々
“体育祭実行係り男子
帝 涼太“と黒板に記入した。
それにしても私……
避けてたわりにはよく
帝のことを見ていたな。
まあ、どうでもいっか。
私は黒板に書いた内容を
紙にまとめた。