恋歌-Renka-
第3章
第3章 *体育祭*
さらに2週間が経ち…
明日は待ちに待った体育祭!
っていっても私は
全然待っていないのだが…
むしろ明日なんて来なければ
いいとさえ思ってる。
今、行っている予行練習でさえ
私にとっては苦痛でしかない。
全員リレー
私は走ってくる西谷を
見つめながら憂鬱な
気分になっていた。
「はぁ…はぁ…はいっ、冬院さんっ」
息を切らして苦痛な顔を浮かべる
西谷からバトンを受け取って走り出す。
一生懸命走って、走って
走ってはいるんだが
次々に抜かされていく。
いつの間にか最下位。
目の前には凄い形相で
私を睨みつけている帝。
私は喋ることが出来なくて
無言でバトンを手渡す。
帝は全力疾走。
めちゃくちゃ速いじゃないか…
なんとか最下位は
免れたようだが
呆気なくも2位。
それにしても最下位から
2位までのぼり詰めるなんて
凄いなと感心していると
「こっの……運動音痴があああああぁぁあぁっ!!!」
鼓膜が破れそうになる程の
バカでかい声が響き渡る。
私は眉間に皺を寄せて耳を塞ぐ。
振り向けば帝が凄い形相で
ズンズンズンズン歩み寄ってくる。
ってか、秘密にしてたのに!!
バラすなよ!!
「うるさい」
眉間に皺を寄せたまま
冷たくいい放つ。
「うるさい? うるさいさじゃないよ、悪いのはどっち?」
「うっ………」
そう言われてしまったら
何も言い返せないじゃないか……
どう考えても悪いのは私だ。
私はシュンと肩をすぼめる
「はぁ……。もう何でそんな運動音痴なわけ?」
そんなことを聞かれても
わからない…むしろ私が知りたい。