恋歌-Renka-




「えー、坂梛と城山?」




帝が気だるそうに言うと




ゴツンッ




帝の頭上に拳が降ってきた。





「えー、って何よ!?私たちも混ぜなさいよね!!」





「いや、坂梛はいいとしても、お前うるさいんだもん」





「はあ!?何よそれ!?」




最近、帝と美保は
いつもこんな感じ。




イライライライラ




何故かはわからないけど
無性にイライラする…




「まあ、いーんじゃない?大人数の方が僕は好きだな!ね?優樹っ」





「そうですね……って花音さんどうかしたんですか?」




「ふぇっ!?」



いきなりの問いかけに
びっくりして変な声が出る





「ななな何でもない!!」





恥ずかしさのあまり
声がどもる



「なーんか怪しい」




そんな私をみて
怪訝な顔をして
覗き込んでくる帝。





うわぁああああああぁぁぁっ!?




や、やめろ!!




ち、ち、近すぎる…!!




「別に何も怪しくないっ!」




「ふーん」





それだけ言うと彼は
私から顔を遠ざける。




ふぅ
良かった……。



私はそっと胸を撫で下ろした。
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