来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 今のは、どういう意味ですか? どうして、頭を撫でてくれたんですか?
 恋幸の心に湧き上がった疑問を全て見透かしたかのように、


「……落ち込んでいるように見えたので」


 彼は短くそう告げ、一度ぽんと軽く叩いてから手を離す。

 先ほどから、恋幸はどうすればいいのかわからずにいる。
 彼の行動や発言の原動力は全て本人の持つ『優しさ』から生まれたものでしかないのに、勘違いしてしまいそうになるからだ。


(今世の和臣様も、私のことが好き? なんて……そんなわけ、ないのに……)


 考えれば考えるほど、胸が苦しくて仕方なかった。
< 39 / 454 >

この作品をシェア

pagetop