来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
「んん、っふ……っ」


 無意識に溢れてしまう声が恥ずかしくてたまらないというのに、口内で混ざり合う熱が理性まで溶かしているのではないかと思えてしまった。

 そうでなければ、


(もっと)


 裕一郎の背中に両腕を回し、しがみついたまま(みずか)らはしたなく舌を絡めることなど、恋幸に出来るはずもないのだから。


「ん……」
「はっ、ふ……っ、ん」


 二人きりの空間で、くちゅ、くちゅと小さく響く生々しい水音だけが鼓膜を揺らす。
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