来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 ディープキスなど(当然)裕一郎以外とした事のない恋幸には、2度目にして舌をどう動かすべきか的確に把握できていないのもまた『当然』だった。
 緊張を解きほぐすようにしてゆっくりと彼女の舌を誘導し、口内をゆるく愛撫(あいぶ)する裕一郎のやり方を、ただひたすら真似し続ける。


(裕一郎様にも、キスするの気持ち良いって思ってほしい)
「……」


 (つたな)くも必死に(こた)えようとする恋幸の姿を、裕一郎の青い瞳が愛おしくてたまらないと言いたげに見つめている事など、余裕を失っている今の彼女が気付くわけもない。
< 431 / 454 >

この作品をシェア

pagetop