来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 彼は(うな)るように低く呟くと、ゆっくりと恋幸の太ももを撫でつつ首筋に顔を埋める。


「ん、っん……っ」


 一つ、二つ。焦れったいほどに優しい口付けが落ちるたび、ぴくりと肩が震えて無意識に声が漏れた。


「……キスマーク、つけたら困りますか?」
「困るわけないです、好きにしてください」


 恋幸が言い終わると同時に、うなじに近い場所に柔らかなものが触れて、ちゅうと小さく音を立てる。

 数秒の間を置いて、心地良さすら覚える程度の(かす)かな痛みが“そこ”に走り、裕一郎はもう一度キスを落としてから顔を離すと、ひどく(おだ)やかな表情で恋幸を見下ろした。
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