来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
第52編「来年からはもっとはしゃいでくださいね」
質問に質問で返した恋幸に対し、裕一郎は淡白に「はい」と返して彼女の顔から両手を離す。
(な、なんだろう!?)
聞きたいこと、と切り出された瞬間――恋幸の脳内に浮かんだワードは『婚姻届を出す日』『新作の締切について』『今日の朝食べた物』の3つであった。
内、1つ……いや、2つは絶対に今このタイミングで聞かれるわけが無いだろうという大前提はさておき、恋幸は先ほどのあれこれで熱を持つ頬に片手を当てたまま心臓を高鳴らせて次の言葉を待つ。
数秒の間を置いてゆっくりと唇を持ち上げた裕一郎は、
「小日向さんの誕生日、教えてくれませんか?」
体勢を変えながらひどく穏やかな声で問いを投げると、先ほど脱がせた恋幸の靴を片手で拾い上げ、丁寧な手つきで履かせてから再び彼女に向き直った。
(な、なんだろう!?)
聞きたいこと、と切り出された瞬間――恋幸の脳内に浮かんだワードは『婚姻届を出す日』『新作の締切について』『今日の朝食べた物』の3つであった。
内、1つ……いや、2つは絶対に今このタイミングで聞かれるわけが無いだろうという大前提はさておき、恋幸は先ほどのあれこれで熱を持つ頬に片手を当てたまま心臓を高鳴らせて次の言葉を待つ。
数秒の間を置いてゆっくりと唇を持ち上げた裕一郎は、
「小日向さんの誕生日、教えてくれませんか?」
体勢を変えながらひどく穏やかな声で問いを投げると、先ほど脱がせた恋幸の靴を片手で拾い上げ、丁寧な手つきで履かせてから再び彼女に向き直った。