来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 恋幸は「もっと上手い相槌(あいづち)があったでしょ」と自分に対してツッコミを入れつつ、眼鏡の奥にある彼の青い瞳を真っ直ぐに見据えて、あまり無い胸をドンと張り元気に言い放った。


「4月15日、苺大福の日です!」
「15……来週ですよね?」
「あっ、そっか! そういえばそうですね!」


 にこにこと能天気に笑う恋幸とは対照的に、つい先ほどまで(おだ)やかに微笑んでいた裕一郎は途端に表情を失ってしまう。

 その様子に漫画的効果音を付けるのであれば、スンッ……だ。


「……小日向さん」
「はい!」
「強めに額を弾いてもいいですか?」
「えっ!? いいですけど、どうしてですか!?」
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