来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
裕一郎は右手の人差し指と親指で輪を作り、恋幸の額に近づけていわゆる“デコピン”の構えを見せたものの、すぐに手を下ろして「はあ」とため息を吐く。
一連の挙動に恋幸は彼の整った顔を見上げたまま首を傾げることしかできないでいたが、そんな彼女の様子に裕一郎は綺麗な眉を八の字にして片手で頬を撫でた。
「そういうことは、事前にアピールしてくださらないと……」
「えっ、だって、もう誕生日にはしゃぐような年齢でもないですし……」
「貴女の謙虚なところも魅力的だと思っていますが、私の前ではもっと貪欲になってください」
「……でも、」
裕一郎が“そう”させているのだろうか? 空気が、ひどく甘ったるいように感じる。
恥ずかしさで反射的な言い訳を並べかけた恋幸の唇に、彼の親指がなぞるように触れて言葉の投下を牽制した。
一連の挙動に恋幸は彼の整った顔を見上げたまま首を傾げることしかできないでいたが、そんな彼女の様子に裕一郎は綺麗な眉を八の字にして片手で頬を撫でた。
「そういうことは、事前にアピールしてくださらないと……」
「えっ、だって、もう誕生日にはしゃぐような年齢でもないですし……」
「貴女の謙虚なところも魅力的だと思っていますが、私の前ではもっと貪欲になってください」
「……でも、」
裕一郎が“そう”させているのだろうか? 空気が、ひどく甘ったるいように感じる。
恥ずかしさで反射的な言い訳を並べかけた恋幸の唇に、彼の親指がなぞるように触れて言葉の投下を牽制した。