来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 そして、


「……花ちゃんにも、こういう風に触れるんですか?」


 頭に浮かんだ小さな疑問が、ほとんど無意識のうちに口からぽんと出てしまう。


(あっ!?)


 内容そのものは、とくべつ彼を困らせてしまうようなものではない。だが、“そこ”に込めてしまった感情が(わずら)わしいものであるのは確かだった。


「その、ちょっと今、私……変でしたね! えへへ」


 黙ったまま(まばた)きを繰り返す裕一郎を見ていると気持ちだけが先走り、言わなければバレないままでいられたような事まで脳みそが勝手に体を動かして発信してしまう。
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