来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
「……そ、その……倉本様は……」
「はい」


 嘘も方便だ。真実に適当な嘘を混ぜて、とりあえず適当にこの場をかわすという手もあった。
 しかし、晴れた日の湖にも似た透き通る瞳を見ていると、


「……『日向ぼっ子』は私です、って言ったら……どうしますか?」


 (いつわ)ることが難しくなってしまう。
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