予知夢で香月くんが死ぬことを知ってしまった。
**
昼休みーー
「七瀬。ちょっと来て。」
「へ…?」
七瀬と四谷さんがお弁当を広げているとき、
俺は恐る恐る七瀬に話しかけた。
七瀬はキョトンと俺を見上げている。
あれ。久々にまともに顔見たけど、
こんな気ぃ弱そうなヤツだったっけ…
「いいけど…
大連くんも?」
俺の後ろで笑顔で立っている大連に目を向け、
遠慮がちにそう聞いてきた。
「そうだけど。」
「う、うん…わかった…」
「ちょ、待って!麻になんの話?
ここじゃダメなの?」
四谷さんが心配そうな顔で七瀬を止めた。
「ちょっと、込み入った話だから。
大丈夫だよ。すぐ戻る。」
嘘だけど。
これからすげぇ怖がらせようとしてるけどね。
「でも…」
「へーきだよ、よっちゃん。
香月くんは友達だから。ね?」
意外にも七瀬はそう言って、俺に笑いかけた。
不自然な笑顔。
それじゃ四谷さんも心配するわ。
てか、俺に怒られること予想してないのか?
付いてきて~って四谷さんに泣きつくと
思ったのに。
「行こう、香月くん。」
俺は黙ったまま七瀬を誘導した。
四谷さんは付いてこなかった。
「おい、香月…」
「いいんだよ。」
大連が渋そうにしてるけど、関係ない。
七瀬に一言も話しかけないまま、
俺たちは部室棟の裏まで来た。