予知夢で香月くんが死ぬことを知ってしまった。
「じゃあホームルーム始めまーす」
先生が教室に入ってきて、
立っていたクラスメイトが自分の席に戻っていく。
視界が開け、香月くんの背中が見やすくなった。
少し撫で肩で、広い背中。
地面に伏せていた血だらけの全く同じ背中が脳裏によぎる。
うう…
朝からグロいよ…
私は今日の夢が予知夢だと"悟った"。
理由を言えとなると、言葉に困るんだけど
なんか不思議な自信があった。
香月くんがトラックに跳ねられて死ぬ。
と言っても時間も場所もわからないけど…
「では、ホームルームを終わります。」
先生が〆の台詞を言うと、クラスメイトがまた
立ち上がったり授業の準備を始めた。
「麻!地学室行こー…って、大丈夫!?
顔色さらに悪化してるけど…!」
「う、うん…
ちょっと朝からグロいのを見てしまって…」
「朝からスプラッタ!?趣味悪…!」
「まぁそんなとこ…。」
私が苦笑いをすると、よっちゃんは「ばか」と言って笑った。
可愛い~!
癒される~!
グロい映像をよっちゃんの美人笑顔で上書きして、私は地学室に行くために立ち上がった。