予知夢で香月くんが死ぬことを知ってしまった。




***

「では、ホームルームを終わります。」

先生の朝と全く同じ台詞で
その日の学校は終わった。


「麻、顔色よくなってきたね。
安心安心。」

「よっちゃん」

「帰ろう。」

「ごめん、ちょっとこのあと先生に用事あるんだ…
今日は先に帰ってて。」

「え~…そっか…
わかった、また明日ね。」

「うん、ごめん。また明日ね。」


よっちゃんに笑顔で手を振った。


クラスメイトが半分くらい帰った教室で、
私は数学のノートを広げて勉強するふりをする。


6時間ある授業、
考え続けてようやく私は冷静になれた。


まず予知夢。


証拠はないけど、きっとあの事故は未来に起こる。

今日寝て、また同じような夢を見たら確定だ。



次に香月くん。


話したことがないと言っても、悪い噂は聞かない。

男子の友達も多いし、サッカー部を頑張っている
真面目な印象だ。

クラスの女子に聞いたら、自転車通学だって
言ってたし、そこも夢と一緒。

そんな人が事故で亡くなる…



結論!!

香月くんを守れるのは私だけだ!!


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