予知夢で香月くんが死ぬことを知ってしまった。
着替え終えていつものように一年でまとまって
昇降口へ向かう。
流れで俺のとなりには高崎がいた。
「でもちょっと驚いたよ。
香月でも調子悪いときあんのな。」
「そりゃな。俺なんかまだまだだし。」
「レギュラー入っといてよく言うよ~」
高崎は嫌味っぽくなくそう言った。
思っていた以上にずっといいやつみたいだ。
「というか、今日も彼女と帰んだろ?
こんなのんびりしてていいのかよ。」
「っっ!!彼女じゃねぇよ!ふざけんな!」
「えっ!!」
高崎は本当に驚いている様子。
からかってるわけじゃないのか…
そしたら、俺は麻と付き合ってるように
見えてんのか…?
そうだとしたら最悪だ。
あんなストーカーに俺の青春潰されてたまるか!
「アイツは友達だよ。
一人で帰るのが嫌で方向同じ俺を待ってるだけ。」
「ふーん…」
俺は当たり障りのない言葉で麻を説明した。
まぁ変なやつだけど、悪いやつでもないし、
話したこともない男子にわざわざストーカー
なんて言うのも不憫だ。
俺ってやさし。
「いいな、香月…」
「は…?」
高崎は遠くに見えた昇降口、
そこに立つ麻を見てつぶやいた。