予知夢で香月くんが死ぬことを知ってしまった。





「な、なにそれ…二重人格…?」

「そんなんじゃないよぉ。
ただのキャラの使い分けだよ☆」


なんか逆に怖いんですが…。

最初のキラキラふわふわの東郷さん像が
音を立てて崩れていく。


「まぁ、正直我慢の限界だったからいいや。」

「我慢…?え?何が…?」


東郷さんは笑顔のまま私に向かって言い放った。


「香月くんと仲良すぎてまじうざい。
高崎くんが指名するからどんな要領のいい子かと思ったら、仕事できないしどんくさいし。
正直イライラしてたんだよね♡」

「え…ご、ごめんなさ…」


言われてることがズバリ過ぎて、
謝ることしかできない。


「ケガの手当てくらい小学生でもわかるっつーの。
ごはん盛るのも遅いし。」

「ご、ごめん…!」

「香月くんとも何よ!
ごはんの時もあんたと話してるから、あんまり話せなかったし。
さっきだって、私が手当てしようと…」

「東郷さん…」

「何よ。」


「か、香月くんのこと…
好き…なの?」






「っっ///!!だったら何!?
邪魔するの!?
それとも応援でもしてくれるわけ!?」


な、なんで怒られるの~!(泣)


「邪魔はしないよ。
でも私の応援じゃ何もプラスにならないと思うし…」

むしろ裏目に出そう。

「たまにはまともなこと言うじゃない。
でも協力して。香月くんと仲いいんだから。」

「えっ…」

チクリ…


いや、何がチクリ?

私別に香月くん好きじゃないし。

協力したって問題ないはず。


「いい…けど…」

「やった♡ありがとう、麻ちゃんっ」


私の手を握り、元気よく握手する東郷さん。

オンオフの切り替わりがスゴすぎて、
正直私の手汗はひどかった。


(あとで手を洗われました。)


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