下弦の月*side story*
その前髪を横に流してくれて、
「俺と…添い遂げてくれるか?」
その言葉は、プロポーズを意味しているんだとわかって。
はい、と頷いた。
「なら…今日はもう店じまいだな。」
「えっ…?いいの?」
「いいも何も…今日はクリスマスだ。」
すっかり、忘れてたけれどクリスマスだったんだ。
どおりで、ここに来る途中。
恋人同士らしい人達が多かった。
「少しだけ、待っててくれ。」
と、片付けを始めた淳平を見つめる。
今になって思えば、この人はいつだって。
私を見守ってくれてたような気がする。
自分の気持ちを隠して、抑えて。
たくさんの愛をくれてたんだ。
だから私も、この人なら着いて行けるって…思ったんだ。
無性に、好きって伝えたくなって。
グラスを洗い終わった淳平に、
「ねぇ…淳平、好き。」
って伝えると、少しだけ顔が赤く染まって。
カウンターの中から出て、
椅子に座っていた私をフワリと抱き締めて、
「不意打は、反則だろ。俺も好きだぜ。」
見上げた私の唇に、そっと淳平の唇が重ねられた。
「さて…帰るぞ。続きは…帰ってからだ。」
モッズコートを羽織って、鞄を手にした私の手を握った。
外へ出ると、綿雪が桜の花弁のように舞っていた。
「ホワイトクリスマスだね。」
「ああ、折角だしイルミネーションでも見て帰るか?」
見上げて頷いた私の手を引いて歩き出した、
淳平の背中を見つめながら、
ずっと何があっても、この背中に着いて行こうって誓った。
大通りを彩るイルミネーション。
「来年も再来年もずっと…ずっと一緒に見ような?」
「うん、見ようね。」
人目なんて関係ない。
何度も何度も、誓いのキスを交わした。
☆END☆
「俺と…添い遂げてくれるか?」
その言葉は、プロポーズを意味しているんだとわかって。
はい、と頷いた。
「なら…今日はもう店じまいだな。」
「えっ…?いいの?」
「いいも何も…今日はクリスマスだ。」
すっかり、忘れてたけれどクリスマスだったんだ。
どおりで、ここに来る途中。
恋人同士らしい人達が多かった。
「少しだけ、待っててくれ。」
と、片付けを始めた淳平を見つめる。
今になって思えば、この人はいつだって。
私を見守ってくれてたような気がする。
自分の気持ちを隠して、抑えて。
たくさんの愛をくれてたんだ。
だから私も、この人なら着いて行けるって…思ったんだ。
無性に、好きって伝えたくなって。
グラスを洗い終わった淳平に、
「ねぇ…淳平、好き。」
って伝えると、少しだけ顔が赤く染まって。
カウンターの中から出て、
椅子に座っていた私をフワリと抱き締めて、
「不意打は、反則だろ。俺も好きだぜ。」
見上げた私の唇に、そっと淳平の唇が重ねられた。
「さて…帰るぞ。続きは…帰ってからだ。」
モッズコートを羽織って、鞄を手にした私の手を握った。
外へ出ると、綿雪が桜の花弁のように舞っていた。
「ホワイトクリスマスだね。」
「ああ、折角だしイルミネーションでも見て帰るか?」
見上げて頷いた私の手を引いて歩き出した、
淳平の背中を見つめながら、
ずっと何があっても、この背中に着いて行こうって誓った。
大通りを彩るイルミネーション。
「来年も再来年もずっと…ずっと一緒に見ような?」
「うん、見ようね。」
人目なんて関係ない。
何度も何度も、誓いのキスを交わした。
☆END☆