誰が為に、完全犯罪
――――――
嗚咽交じりになんとか聞き出せた場所。
“近くにセブンイレブンがある”
“前にクリーニング屋さんがある”
そんな断片的な情報を頼りに、
通話中の状態のまま必死に声をかけ続けて、
やがて・・アパートの前にたどり着いた。
階段を昇ってすぐの部屋・・・!
“ガチャリ!!”
「アミ!!?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・信じがたい光景が・・・
・・・目の前に広がった・・・・。
「・・アァア・・・アァアア!!!」
「アミ!!!」
俺の姿を捉えて、
涙腺が爆発したアミが駆け寄ってくる。
その体をぎゅっと抱き締めたのはいつ振りだろう・・?
背中に回された両手。その両手からこの服に【血】が付く事なんてどうでも良かった・・・。
「・・・・・・・。」
「アァア・・パパ・・ごめんなざい・・!
ごめんなざい・・!!」
胸の中でずっと嗚咽を続けるアミを落ち着かせながら改めて・・目を覆いたくなる部屋の中を見回す。
金髪の男が・・
血まみれで倒れている・・。
その傍に・・
べっとりと赤く染まった包丁・・。