誰が為に、完全犯罪
「それで気がついたら・・?」
「・・わだじ・・裸になってだ・・。」
「!!?」
「・・アァア・・・アアァ・・!!」
部屋に連れ込まれて・・
服を脱がされた・・・・?
まさか・・・・・まさか!!?
「“写真撮った”って言われだ・・。
“警察にチクったら”・・
“これ流出させる”って言われだ・・。」
胸の中で、ほんの・・ほんの少しだけ落ち着きを取り戻したアミが・・絞り出すように答えてくれた。
恐怖・裏切り・哀しみ・怒り・・・。
様々な感情が交錯して、
今度は“記憶が飛ぶ”ではなく、
“頭が真っ白”になって気がついたら・・
包丁を手に取って・・背中を刺していた。
自分でも制御が効かないほど、気がついたら新庄を目がけて包丁を振りかざしていた。
ようやく“真っ白”が空けて、
我に返ったら事の重大さに襲われ、
俺にLINE電話してきたとの事だった・・。
「・・どうじよう・・どうじようパパ!?
わだじ・・・わだじ何て事を・・!」
「・・・・・・・・・・。」
正当防衛・・?
いや違う。心の危険は迫ったけど、
身の危険が迫ったわけじゃない。
このケースでは正当防衛は成立しない。
過失致死・・?
いや違う。その場にあった物で殴ったなら話は別だけど・・包丁を手に取ってしまった。
“殺すつもりは無かった”
という言い訳は通じないかもしれない。
いや・・!そもそも過失致死だろうが殺人だろうが・・・ダメだ・・絶対にダメだ!!