誰が為に、完全犯罪


「アミ・・と、とりあえず手を洗おう。
石鹸でよくその手を洗って・・!」


「・・・・スッ・・うん・・・。」


洗面所に向かうアミの衣服を確認する。
やはり返り血を浴びているか・・!


「・・・・・・。」


すぐに部屋を物色して、
何か着替えられる物を・・

女の子が着ても怪しまれない男物の服・・・


「・・・・・よし・・。」


押し入れの棚から無地のパーカーを見つけた。

サイズ感はかなり違和感があるけど、
帰り道だけならこれで凌げる。



「アミ。これに着替えなさい。
今着ている服は俺が処分しておく。

もし帰った時にママに見られたら、

[バイト前に更衣室で着替えてる時に、
お茶がこぼれたから先輩が貸してくれた]

って言うんだよ?」



これでひとまずアミを家に帰せる。
帰り道に警察官に見つかっても怪しまれない。

いや・・もしかしたらこの時間だから職質されるかもしれないけど、バイトの帰りって言えば大丈夫。


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