誰が為に、完全犯罪
「その子も君も・・高校生かな?」
「はい!2年生です!」
「「・・・・・・・・。」」
う~~~~ん・・・・。
これは少し予想外な展開になりそうだな。
ナホミちゃんから教えてもらったその子の名前は“小柳アミ”さん。17歳の高校2年生。
彼女達はホール担当で、新庄君にはよく休憩時間に食べるまかないを作ってもらっていたらしい。
「新庄君と小柳さんはどこの居酒屋に行ったか知ってる?」
「ん~・・それは聞いてないです!」
「ちなみに今日は彼女は居ますか?」
ナホミちゃんから店長さんへ視線を移すと、
シフト表を取り出してくれた。
「アミは今日休みですね。
明日は16時~21時です。」
「じゃあすみません。彼女の連絡先・・。」
「増川ちょっと待った。」
相手は17歳。
慎重に事を運びたいから・・
ここは先に裏を取っておくか。
小柳さんの連絡先を聞き出そうとした増川を制止して、ナホミさんに一歩近づいた。
「ごめんなさいねナホミさん。
小柳さんの写真って持ってないかな?」
「アミちゃんと撮った写真あるかなぁ・・?」
ロッカーからスマホを取りだした彼女から・・
「・・あ!!ありました!
昨年の忘年会の写真でもいいですか?」
2人でマイクを持ってピースサイン・・
カラオケを楽しんでいる写真を入手する。
「じゃあ店長さん。
また改めてお邪魔します。」
“フーニーズ”をあとにして、
ここからは靴底減らすか・・!
「相馬さん。先に“居酒屋探し”ですね?!」
「フーニーズと新庄君のアパートを直線で結んで、その周辺にある居酒屋を1軒残らず当たってみよう。」
「でもまさか・・女子高生が・・?」
「決めつけるのはまだ早いかもしれないが、
もし居酒屋での証言が取れたら限り無く黒に近くなるな・・。」
さて・・聞き込みの成果は果たして・・。