誰が為に、完全犯罪
6月9日
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「あ~~・・眠い・・。」
“ガチャリ”
「相馬さん。コーヒー買ってきました。」
「増川・・お前は相変わらず気が利くな。」
0時を回った署の会議室。
ホワイトボードに写真を貼りながら、
羅列した情報を2人で一緒に眺める。
「両親が離婚して、
今は母親と二人暮らし。
父親は大手企業に勤めてる・・
わざわざ売春なんかしなくても、父親にお金せびれば不自由しないだろうに・・。」
コーヒーを一口飲んだ増川がボソリと呟いた。
「その“売春”ってのがどうもなぁ・・。」
「あれ?相馬さんはそこが引っ掛かってるんですか?」
「新庄君って“フーニーズ”で正社員として雇用される予定だったんだろ?
バレたら相当ヤバい事になってただろうに、
彼はただの性欲お猿さんだったのかね?」
「一応・・彼についても洗ってみますか?」
「増川お前に任せた。
小柳さんがホントに白だったら、
真犯人が別にいるって事になるし、
そうなると新庄君に恨みを抱いていた人物を探さなきゃいけないしな・・。」
「念の為、彼の身辺も調べてみます。」
「・・・・・・・・・・・・・。」