誰が為に、完全犯罪
「真実の中に嘘を混ぜたとしても、
私と増川の目は誤魔化せないよ?」
「!!?」
「この前からずっと引っ掛かってた。
6/1に新庄君と食事をして、
彼の家に行ったのは事実だと思う。
でも・・悪いけど“売春”の話は到底信じられない。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「お父さんと1年に1回会って、
誕生日を祝って貰ったり、
近況報告を聞いて貰ってたのは事実だと思う。」
「・・・・・・・・。」
「だからこそ・・
新庄君の事も相談したんじゃないのか?」
「・・・言ってません・・。」
「新庄君に【裸の写真】を撮られたんじゃないのか?」
「!!?」
「“何で知ってるの?”って顔したね・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「この前、私と一緒に来ていた優秀な後輩が、
新庄マモルという人物を改めて洗ってくれた。
彼の大学時代の友人に聞き込みした際、どこか歯切れが悪い応答に違和感を持ったそうだ。」
「・・・・・・・・。」
「だから増川が問い詰めてくれた。
大学の友人達は正直に白状してくれた。
新庄君は飲み会やコンパで女の子と席を囲む時、
お目当ての子のコップに【睡眠薬】を入れて、
意識を混濁させてお持ち帰りして・・・。」
「・・・・・・・・。」
「警察に駆け込まれないようにする為に、
仲間達に[君の方からノリノリで新庄に迫ってたじゃん]と証言させて、
【合意の上だった】という状況証拠を作り、
・・トドメを刺すかのように、
流出されては困る写真を提示して・・
結果的に彼は一度も罰せられることなく、
被害者の女の子達を全員【泣き寝入り】させた。」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」