誰が為に、完全犯罪

「どうやら彼はとんでもない悪党だったようだ。

“弱みを握って自分の立場を守る”

だからこそ・・未成年にも平気で手を出せたのかもな・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・私・・ｽｯ・・だけじゃ・・
・・・無かったんですか・・・？」


「あぁ。君と同じように傷つけられた女の子は大勢いる。」


「・・・ｽｯ・・・ｽｯ・・・・・・。」


「・・・・・小柳さん。
君は泣き寝入りしなかったんじゃないのか？」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「誰かに相談したんじゃないのか？」


「・・・・ｽｯ・・ﾋｯｸ・・・・・・。」


「もう一度だけ聞く。」


「・・ｽｯ・・はい・・・・・・・。」


「お母さんはあまりにも身近すぎる。

シングルマザーとして家事に仕事に・・
ただでさえ苦労している母親に、

“これ以上迷惑はかけられない”
そう考えたんじゃないのか・・？」


「・・・ｽｯ・・・・。」



「だから・・お父さんに相談したんだね・・？」