誰が為に、完全犯罪
最終話
最終話
6月10ー11日
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「“娘を守る為”・・動機としては十分ですね。」
「まずはアミちゃんが正直に話してくれた内容をぶつけて、何て言ってくるかだな・・。」
「良識有る男だと良いんですけどね・・。」
「そうだな。このまま一気に畳みかけて、
“解決”まで持って行きたいな。」
会社員で仕事があったとしても、
恐らく帰宅しているであろう21時。
現在の住所となっていたマンションに到着して、
玄関扉の前でインターホンを押した。
“ピンポーン”
「「・・・・・・・。」」
<・・・はい、大村です。>
「夜分遅くにすみません。
こういう者なんですけど。」
<・・少々お待ち下さい。今開けます。>
インターホン部分に設置されていたカメラ。
増川が警察手帳を見せると、驚くほどラリー少なく玄関の鍵が開けられようとしていた。
「何の用ですか?」とか、
動揺を見せることもなく・・・
“ガチャリ”
「はい。」
「こんばんは。増川と申します。」
「同じく、相馬です。」
「立ち話もなんですのでどうぞ中へ。」
「「・・・・・・・・。」」
この男・・まるで警戒心が無いのか・・?
手際よくスリッパを2つ用意したので、遠慮無く靴を脱いでリビングへと通してもらった。