誰が為に、完全犯罪
「あ、お食事中でしたか。すみません。」
テーブルには美味しそうな野菜炒め、
玉子焼き、白米、味噌汁が並んでいた。
「食べながらでもいいですか?」
「はい、結構です。」
淡々と対面に座った大村が箸に手を伸ばしたところで、増川から切り出してもらう。
「私達は今、6/1に発生した殺人事件の捜査をしています。」
「はい。」
「事件の関係者の中に・・小柳アミさんがいらっしゃったので、話を聞いてきました。」
「はい。」
「そこで・・娘さんから気になる話を聞いたので、あなたへ話を伺おうと思って本日は参りました。」
「アミから何を聞いたんですか?」
「“被害者の男に薬を盛られて乱暴された”と。
それだけでなく、“人には見せられない写真を撮られた”と。」
「はい。」
「そして・・それを[お父さんに相談した]と。」
「はい、事実です。」
増川の話に相づちを打ちながら、
箸を持つ手は次々と料理を口へと運ぶ。
この男・・・・・まさか・・・?